ディズニー作品の音楽は様々な形でアレンジされた楽曲でもよく見かけると思います。
特に馴染みがあるジャンルの一つとしてディズニー音楽のジャズアレンジが挙げられるのではないかと思います。
そんなディズニーとジャズの関わりについて考えてみたいと思います。
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映画とジャズの関わり
映画とジャズは歴史の長さという観点からほぼ同じものです。最初の映画というものはサイレントでしたが、1927年に初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』が公開され、映画とジャズは関わっていくことになります。ちなみにディズニーは翌年1928年に『蒸気船ウィリー』を公開しています。
1940年代から50年代はハリウッド全盛期であり、数え切れないほどのミュージカル映画が制作されます。50年代はモダン・ジャズを映画に用いるのが流行となったそうです。
60年代にはデューク・エリントン、クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコックらジャズの歴史を築き上げた音楽家が映画音楽を手がけるようになります。
映画とジャズは歴史と共に関わり持っていくこととなっていきました。
ディズニー音楽とジャズ
映画にジャズ音楽が用いられていく時代のなか、ディズニーも次々と作品を公開していきます。
当時その時代に肖ってディズニー作品もモダン・ジャズを取り入れた映画作品を公開…というわけではないかと感じます。
どの様に関わってきたのかというと、ジャズミュージシャンがディズニー音楽を演奏する曲として取り入れたことがきっかけとして挙げられます。
『白雪姫』より「いつか王子様が(Some Day My Prince Will Come)」
ジャズミュージシャンの定番となった曲の一つが1937年公開のディズニー映画『白雪姫』より「いつか王子様が(Some Day My Prince Will Come)」です。作曲は『3匹の子豚』『ダンボ』『バンビ』などのディズニー映画音楽を担当したフランク・チャーチルです。
そのコード進行やメロディはジャズミュージシャンの間でも魅了され、多くのミュージシャンが現代に至るまでも親しまれています。
「いつか王子様が(Some Day My Prince Will Come)」を演奏したジャズミュージシャンと代表アルバムといえば下記のアルバムが該当するのではないかと思います。
- デイブ・ブルーベック『デイブ・ディグス・ディズニー』(1957)
- ビル・エヴァンス『ポート・レイト・インジャズ』(1959)
- マイルスデイビス『サムデイプリンスウィルカム』(1961)
「いつか王子様が」をはじめとし、ディズニー音楽はジャズスタンダードとしてもミュージシャンに愛されていくこととなります。
ディズニーのジャズスタンダード
ディズニーのジャズスタンダードとして他にも様々なものがあります。「いつか王子様が」の他にも
- 『ピノキオ(Pinocchio)』「星に願いを(When You Wish Upon a Star)」
- 『ふしぎの国のアリス(Alice In Wonderland)』「Alice In Wonderland」
- 『メリー・ポピンズ(Mary Poppins)』「チム・チム・チェリー(Chim Chim Cher-ee)」
などあがあります。他にもたくさんります。
こうしてディズニー音楽とジャズ、ジャズミュージシャンは深く関わっていきます。
また、ディズニー作品内でも『おしゃれキャット』『プリンセスと魔法のキス』『モンスターズ・インク』など楽曲そのものにジャズの雰囲気が盛り込まれているものもあります。
ディズニーシーに行けば本場のJAZZが嗜める?
ディズニー音楽のジャズだけではない、ディズニーシーでジャズが聴ける場所がありますね。
ディズニーシーではみなさんご存知であるとは思いますが、「ビッグバンドビート」の公演です。
本場のミュージシャンがビッグバンドを演奏します。ジャズスタンダードの曲がたくさん聴けますので、ぜひともジャズ好きの方には聴いていただきたい公演です。
ジャズという音楽はディズニーの曲ではなくても、ディズニーの世界観に馴染むこともできています。これからもディズニー音楽とジャズはそれらが持つ雰囲気の相性が良いのかもしれませんね。