アニメ映画『アラジン(Aladdin)』は1992年に公開されました。
ディズニーを代表する「ホール・ニュー・ワールド(A Whole New World)」や「フレンド・ライクミー(Friend Like Me)」などの名曲はこの映画で使用された楽曲ですね。
砂漠の王国アグラバーで暮らすアラジンは魔法のランプを手に入れ、ジーニーの魔法で王子に変身します。王子になったアラジンは王女ジャスミンの気を惹こうと魔法の絨毯で空の旅をするロマンチックなシーンやジーニーのユーモア溢れる魔法のシーンなど魅力的なシーンがたくさんあります。
Contents
音楽データ
主な音楽担当
- 作曲:アラン・メンケン(Alan Menken)
- 作詞:ハワード・アッシュマン(Howard Ashman)
- 作詞:ティム・ライス(Tim Rice)
音楽は制作当初、『リトル・マーメイド』『美女と野獣』を担当したアラン・メンケンとハワード・アッシュマンのコンビで進められてきましたがハワード・アッシュマンが他界したことにより、作詞をティム・ライスが引き継ぎました。
代表曲
- アラビアン・ナイト(Arabian Nights)
- 一足お先に(One Jump Ahead)
- フレンド・ライク・ミー(Friend Like Me)
- アリ王子のお通り(Prince Ali)
- ホール・ニュー・ワールド(A Whole New World)
- アバヨ、王子様(Prince Ali):リプライズ
アラジンとジャスミンが魔法の絨毯で空を旅するシーンで使われる楽曲「ホール・ニュー・ワールド」はアカデミー歌曲賞を受賞しました。
アッシュマンは「アラビアン・ナイト」「フレンドライクミー」「アリ王子のお通り」を担当し、ティムライスは「ひと足お先に」「ホール・ニュー・ワールド」「アバヨ、王子様」を担当しました。
アニメーション映画『アラジン』と音楽
『アラジン』の音楽はアラブ音楽の要素が含まれています。ただアラブ音楽をテーマとした楽曲というわけではなく、メンケンの得意とするブロードウェイ・ミュージカルのような雰囲気を持つ音楽にアラブ音楽の要素を取り入れた楽曲であると感じます。
アラビアン・ナイト
映画の最初に使われるこの楽曲はタイトルに「アラビアン」と含まれているようにアラブ的な要素が印象的な楽曲です。
メロディにアラビア音階が使用されているのがよりアラブ的音楽を強調しているといえます。
アラビア音楽の音階には色々種類があるのですがこの曲で主に使われているのは「マカーム・ナワサル」という音階かと思われます。
この音階はハーモニック・マイナースケール(和声的短音階)の4つ目の音を半音上げた音で、調性感がある音階です。
その他にも楽器にフィンガー・シンバルのような音や銅鑼なども使用しており、アラビア音楽の要素が得に盛り込まれている楽曲です。
最初に映画の世界観を伝えるために適した音楽です。
フレンド・ライクミー
ジーニーが歌うこの楽曲もディズニー音楽を代表する楽曲の一つとなっています。
この曲はブロードウェイ・ミュージカル路線の楽曲でジーニーが魔法をかけるシーンで使用されます。
アッシュマンはこの曲をジャズシンガーのキャブ・キャロウェイ(Cab Calloway)、ジャズピアニスト・シンガーのファッツ・ウォーラー(Fats Waller)など1930、40年代のアメリカのエンターティナーたちの歌い方をイメージして作ったそうです。
この楽曲はコミカルなシーンをより引き立ててくれます。
歌ったのはジーニーの声を担当したロビン・ウィリアムズ(Robin Williams)です。
ロビン・ウィリアムズはアメリカン・コミック・カートゥーン作品を代表する映画『ポパイ』のポパイ役でも知られています。
ロビン・ウィリアムズはコメディの演技が得意であり、ジーニー役でもその力を発揮していました。
日本語版のジーニー役で声と歌を担当したのは山寺 宏一です。
映画の吹き替え、アニメ、ナレーションなど様々な作品に出演し、日本でも有名な声優です。
ドナルドダックや様々なディズニー映画でも出演しています。
彼もまたコミカルな演出も得意としており、このシーンを引き立てていました。
ミュージカルの要素が強いこの楽曲もメンケンとアッシュマンやジーニー役の歌によってディズニーを代表する楽曲とシーンとなりました。
ハワード・アッシュマン他界する前に作詞を担当した楽曲は「アラビアン・ナイト」「フレンドライクミー」「アリ王子のお通り」でしたが、映画の制作中のシナリオの変更に伴い楽曲の書き直しがありました。
しかしこの「フレンド・ライクミー」は他界する前に完成し、変更がなかった楽曲であるため、この作品におけるメンケンとアッシュマンの完全な1曲となっています。
ホール・ニュー・ワールド
ディズニーを代表する楽曲でもあるこの曲「ホール・ニュー・ワールド」はハッシュマンが他界した後に作られました。
ハワード・アッシュマンに代わって作詞を担当したのはティム・ライスです。
ティム・ライスはアンドリュー・ロイド・ウェバー(Andrew Lloyd Webber)のミュージカルでも作詞を担当していた経験もありました。ディズニー作品ではミュージカル版「美女と野獣」や「ライオンキング」なども担当するようになります。
アラン・メンケンとティム・ライスは「魔法の絨毯で空を飛ぶシーン」の楽曲を作りました。
この曲を作る際にティム・ライスは【まったく新しい世界】という意味を持つ「ホール・ニュー・ワールド(A Whole New World)」とタイトルの提案をしたところ採用されることとなりました。
ティム・ライスと共に作ったこの曲は音楽的にはハワード・アッシュマンよりもより大胆にロマンチックな楽曲になったとメンケンは感じたそうです。
この楽曲はアカデミー歌曲賞を受賞し、現代でも世界中に愛される楽曲となりました。
耳をすませば聞こえるディズニー音楽
この映画で登場するキャラクターのジーニーはとても個性的なキャラクターですね。
話し方や魔法などテンポよく映画のシーンを引き立てております。
アラジンとジーニーが出会い砂浜で願いごとについて考えているシーンではディズニー作品の楽曲が一部流れている瞬間があります。
ジーニーがピノキオの顔になったり、マニュアルから『リトル・マーメイド』のセバスチャンが出てくるシーンなど一瞬ディズニー作品の音楽が流れます。
細かいところにもネタが仕込まれて面白いですね。
特にジーニーの行動はテンポよく演出しているので様々なネタがたくさん盛り込まれてるかもしれません。
2019年には実写版『アラジン』公開!
2019年は『アラジン』の実写版が公開予定です!
予告編では「フレンド・ライクミー」や「ホール・ニュー・ワールド」が使われています。
この様にアニメ映画版の楽曲もアレンジして使用されそうですね。
実写版の音楽の担当もアラン・メンケンでした。
『美女と野獣』が実写化された様に既存の曲に加えて新たに書き下ろされる楽曲はあるか期待したいですね!
また、日本語吹き替え版のジーニーの声を担当するのはアニメ版と同じ山寺 宏一に決まっています。
アニメ版のファンの方でも期待したい映画になりそうですね。