アニメーション映画『ヘラクレス(Hercules)』は1997年6月27日に公開され、日本では1997年7月26日に公開されました。
『ポカホンタス』『ノートルダムの鐘』に続くディズニー作品でしたが、前作、前々作のシリアスな路線とは違い、子どもも楽しみやすいミュージカルの要素が強い作品となっています。
ギリシャを題材にしつつ近代的な雰囲気を持つ世界を舞台としており、音楽のジャンルもゴスペルやR&Bといった曲が使用され、華やかな楽曲が使われています。
代表する曲には「ゴー・ザ・ディズタンス」や「恋してるなんていえない」などがあり、そんな音楽を担当したのは『リトル・マーメイド』『美女と野獣』『アラジン』などを担当したアラン・メンケンです。
今回は『ヘラクレス』の音楽について紹介します。
Contents
音楽データ
代表曲
- 「ゴー・ザ・ディスタンス(Go The Distance)」
- 「ゴスペル・トゥルースI (The Gospel Truth I )」
- 「ゴスペル・トゥルース II(The Gospel Truth II)」
- 「ゴスペル・トゥルース III(The Gospel TruthI III)」
- 「ワン・ラスト・ホープ(One Last Hope)」
- 「ゼロ・トゥ・ヒーロー(Zero to Hero)」
- 「恋してるなんて言えない(I won’t say I’m in love)」
- 「スター・イズ・ボーン(A star is born)」
使用された挿入歌はオーケストラによる楽曲であったり、ゴスペルやR&B風の楽曲ではパワフルなボーカルで歌われます。
楽曲の詳細は次の節で紹介します。
主な音楽担当
- 作曲:アラン・メンケン(Alan Menken)
- 作詞:デイビット・ジッペル(David Zippel)
作曲は数々のディズニー音楽を手がけたアラン・メンケン。作詞は映画『ムーラン』の楽曲の作詞を担当するデイビット・ジッペルが担当します。
『ヘラクレス』の曲について
ゴー・ザ・ディスタンス
ヘラクレスが自分の想いについて歌う楽曲です。
ヘラクレスが旅立ち、ペガサスと英雄を目指すまでのシーンで使われドラマチックな演出となっています。
ゼロ・トゥ・ヒーロー
ヒーローとなったヘラクレスについてパワフルな歌声で歌います。
ゴスペル風の楽曲で、アップビートで明るいノリの音楽です。
恋してるなんて言えない
メグの恋する気持ちについて葛藤する場面で使用されます。
ミューズたちのコーラスは合いの手のように歌われ、メグの本当の気持ち、素直になることを促していきます。
スター・イズ・ボーン
映画の最後に歌われ、そのままエンドクレジットへと突入します。
物語の結末を盛大に祝うのにぴったりな楽曲です。
音楽とミューズの存在
ギリシャ神話では音楽など知的活動を司る女神を「ミューズ」といいます。
『ヘラクレス』ではこのミューズたちが様々な場面で登場します。
「ゴスペル・トゥルース」「ゼロ・トゥ・ヒーロー」「恋してるなんて言えない」「スター・イズ・ボーン」など挿入歌を物語の進行に合わせて歌ってくれます。
ミュージカルのようなシーンもあり、ギリシャ神話を題材にしていることやゴスペルの要素を引き立てるため、ミューズの存在を映画に反映されました。
ゴスペルの導入を考えていたのは本作品の監督のジョン・マスカーで、制作の初期段階からミューズを起用する構想を持っていたそうです。
そんなミューズたちは楽曲のコーラス部分で登場キャラクターの真の気持ち引き出そうとしたり、ヒーローの誕生をパワフルに表現し、作品や音楽が持つテーマを印象づけてくれました。