ピクサーのフルCGアニメーション『Mr.インクレディブル(The Incredibles)』は2004年11月5日に公開され、日本では2004年12月4日に公開されました。
ピクサーの長編アニメーションとしては人間が主人公となるのは初の作品となります。
これまでおもちゃ、虫、魚、モンスターといったキャラクターの世界を描いていたピクサーは新たに人間の動きや髪、服などリアルに再現することに挑戦したした作品でもあります。
スーパーヒーローが人間社会に溶け込む日常的なシーンからアクションシーン、ドラマティックな演出などもあり、非常に迫力のある映画となっています。
そんな『Mr.インクレディブル』の音楽はマイケル・ジアッチーノが担当しました。
ゲーム音楽やアクション映画の音楽など幅広い音楽にを創り出し、その音楽はより作品の魅力をリアルに引き立ててくれる役割を十分に発揮しています。
今回は『Mr.インクレディブル』の音楽について紹介します。
音楽データ
主な音楽担当
- マイケル・ジアッチーノ(Michael Giacchino)
マイケル・ジアッチーノは『Mr.インクレディブル』に続き『レミーのおいしいレストラン』『カールじいさんの空飛ぶ家』『ズートピア』『リメンバー・ミー』など数々のディズニー、ピクサーを作品を担当しました。
ほかにもゲーム音楽の作曲家としても知られています。
『カールじいさんの空飛ぶ家』ではアカデミー作曲賞を受賞しています。
今回、マイケル・ジアッチーノが起用された理由は監督のブラッド・バードによる強い希望があったからだそうです。
実はマイケル・ジアッキーノは『Mr.インクレディブル』をきっかけとして、映画音楽の仕事を本格的に始めることとなります。
『Mr.インクレディブル』と音楽
スーパーヒーローにおける過去の栄光、現在の生活、新たな戦いなどを描く『Mr.インクレディブル』の音楽は派手な演出のシーンに合った楽曲から、緊張感がひしひし伝わるような楽曲などリアリティのあるサウンドが感じられます。
ほかのほとんどのディズニー作品やピクサー作品に見られる挿入歌や、主題歌はありませんが、映画を印象付けるテーマソングの存在があります。
全体を通して音楽についてはビッグバンド風のジャズ・オーケストラで構成され、1960年代のアクション映画を彷彿させるサウンドが特徴的です。
時代を感じるような音楽は映画の雰囲気にも反映されています。
時代を感じさせるような音楽は監督:ブラッド・バードが『007』のような映画音楽を求めたことが表れているようです。
テーマソング「栄光の日々(The Glory Days)」
音楽のオンとオフ
『Mr.インクレディブル』の音楽は使わない場面、使う場面とはっきり分かれています。
日常的な生活のシーンでは使われずに物語が進み、ヒーローの力を使用するシーンやアクションシーンなどでは豪快なサウンドが使われていたり、敵の基地でのシーンは緊張感のあるサウンドでそれぞれの場面を演出します。
音楽を使用しない場面から各場面に合わせた音楽の使用は映画における緊張感やリアリティを効果的に表現できていると感じます。