アニメーション映画『わんわん物語(Lady and the Tramp)』は1955年6月16日に公開され、日本では1956年8月8日に公開されました。
ディズニーによって犬が主人公として描かれた映画『わんわん物語』は20世紀前半のニューイングランド地方が舞台となった作品です。
ディア夫妻と一緒に暮らす犬:レディは家を飛び出し、そこで出会った雄犬:トランプに助けられ二人の恋が始まります。
この映画で有名なシーンといえばなんといってもパスタ(スパゲティ)を食べるレディとトランプがキスしてしまうシーンですね。
そんなシーンで使用された曲も含め本作品でしようされた歌や曲、作曲者について紹介します。
Contents
音楽データ
代表曲
- 「世界に平和を(Peace on Earth)」
- 「ジョック&トラスティ(Jock & Trusty)」
- 「ララルー(La La Lu)」
- 「シャムネコの歌(The Siamese Cat Song)」
- 「彼がトランプさ(He’s a Tramp)」
- 「赤ちゃんって?(What Is a Baby)」
- 「ホーム・スウィート・ホーム(Home Sweet Home)」
楽曲の詳細は次の節で紹介します。
主な音楽担当
- 作詞&作曲:ペギー・リー(Peggy Lee,)
- 作詞&作曲:ソニー・バーク(Sonny Burke)
- スコア:オリヴァー・ウォーレス(Oliver Wallace)
- オーケストレーション:エドワード・H・プラム(Edward H. Plumb)
- オーケストレーション:シドニー・ファイン(Sidney Fine)
ペギー・リーは北欧系歌手として当時人気者でした。1941年ジャズ界の巨匠・クラリネット奏者:ベニー・グッドマンとともに活動もしています。
ペギー・リーはレディ役の声優としてのみ担当予定でしたが、映画制作の進行のなか積極的に参加していたことからウォルト・ディズニーはアイデアに共感する点が多く、作品で使われる主題歌・挿入歌をペギー・リーに任せることとなりました。
知っておきたい『わんわん物語』の曲!
ベラノッテ
スパゲティを食べるレディとトランプが徐々に近づいてキスしてしまうシーンで使われるのが「ベラノッテ」です。
ディズニーの映画史に残るシーンともいえますね。
アコーディオン、リュート、ヴァイオリンなどの楽器が使用されイタリア風の音楽スタイルが感じられます。
後半はオーケストラや合唱によって表現され、非常にロマンチックな楽曲となり、印象的なシーンとなりました。
また音楽が流れているなかでレディの目に星が光る描写もあり、凝った演出もあります。
ララルー
赤ちゃんに向けた子守唄です。
過去作品でもディズニー作品では多くの子守歌が作られ、今回も子守歌を歌うシーンが使われました。
ディズニー映画作品のなかで子守歌は重要な要素として扱われていたのかもしれませんね。
今回は人間が歌う子守歌に興味を持つ犬の様子も描かれています。
彼がトランプさ
この曲は「ジャズ」といった音楽で表現されスイングのリズムが印象的であることやメロディにブルーノートが多様さています。
犬の鳴き声がコーラスとして使われたり、豊かなハーモニーも犬の声で聴くことができ大変ユニークな楽曲となっています。
ウォルト・ディズニーもこのシーンがお気に入りだったそうです。
また、「ジャズ」の楽曲として評価され、ジャズ・ミュージシャンにも愛される楽曲の一つともなっています。
ロマンチックな雰囲気を持つ『わんわん物語』の音楽
これまでのディズニー音楽と比較すると『わんわん物語』は当時の流行した音楽要素が反映されていたりしています。
この作品までで使用された映画の音楽は、クラシックの要素が用いられている曲が多く、本作品では「ジャズ」といった音楽を使用したり、ポピュラーな楽曲が採用されています。
『わんわん物語』以降のディズニー音楽はポピュラーな楽曲が採用され、観客が身近に感じ、愛される音楽が誕生していきます。
『わんわん物語』の音楽はロマンチックな表現をポピュラーソングとして演奏することに雰囲気を感じられる楽曲となっています。このような例からディズニー音楽も大衆に向けたものをより意識していったのかもしれませんね。