ピクサー長編アニメーション映画『モンスターズ・インク(Monsters, Inc.)』は2001年11月2日アメリカで公開されました。
舞台はモンスターが住む世界。モンスターたちの生活から会社の業務などモンスターたちが暮らす様子が描かれています。
「モンスターズインク」に務めるサリーとマイクはトラブルに巻き込まれ、モンスターの世界に来てしまった女の子:ブーを元の世界に送り届けようとします。
個性あふれる様々なモンスターが登場したり、サリーとマイクの友情なども映画の中で描かれていてモンスターの世界でも共感できる要素がたくさんあります。
『モンスターズ・インク』の音楽を担当したのは『トイ・ストーリー(TOY STORY)』や『バグズ・ライフ(A Bug’s Life)』などを担当したランディ・ニューマンです。
シンガーソングライターとしても活動している音楽家ですが『モンスターズ・インク』では全体で見てみるとビッグバンドジャズの演奏などJAZZ的な要素が多く感じます。
モンスターの世界をポップでおしゃれに表現している『モンスターズ・インク』の音楽について紹介します。
音楽データ
主な音楽担当
- ランディ・ニューマン(Randy Newman)
ピクサー初の長編アニメーション映画『トイ・ストーリー(TOY STORY)』から音楽を担当し、その後の『トイ・ストーリー』シリーズや『バグズ・ライフ(A Bug’s Life)』なども担当します。
ピクサー作品の他『プリンセスと魔法のキス(The Princess and the Frog)』なども担当しています。
代表曲
- 「君がいないと(If I Didn’t Have You)」
- 「モンスターズ・インク(Monsters, Inc.)」(オープニング)
- 「ブーが家に帰る(Boo’s Going Home)」
映画本編の中では歌は使われていませんが、オープニングやエンドソングで使われた歌はポップな音楽で多くの人々に知られています。

君がいないと
サリーとマイクが歌うエンドソング「君がいないと」は二人がセリフの合いの手も交えながら歌い、ミュージカルのような楽曲となっています。
エンドソングとして使われ、『モンスターズ・インク』を代表する楽曲といえるでしょう。
この楽曲はアカデミー賞で歌曲賞も受賞したことや、ランディ・ニューマンにとって初めての受賞した楽曲となっています。
サリーとマイクが歌やセリフで音楽をにぎやかにし、二人のキャラクターの仲の良さも伝わってきます。

モンスターズ・インク
オープニングで使用される「モンスターズ・インク」は明るい雰囲気で聴いてて楽しくなるような非常に人気のある楽曲です。
「君がいないと」のインストゥルメンタルバージョンのような楽曲です。
ジャズコンボで演奏されている楽曲で、編成はソプラノサックス、トロンボーン、ピアノ、エレキベース、エレキギター、ビブラフォン、ドラムセットで構成されています。
小編成でコンパクトな演奏ですが、オープニングからわくわくさせてくれるポップな演奏です。
特に楽曲の演奏クオリティが高く、ソプラノサックス、トロンボーン、ピアノのアドリブソロも必聴です!
ソロもあるこの楽曲は演奏力の高さも感じられます。ソロがあったパートを担当しているのは下記の演奏家たちです。
- Soprano Sax:トム・スコット(Tom Scott)
- Trombone:アンディ・マーティン(Andy Martin)
- Piano:マイケル・ラング(Mike Lang)
このが曲が気に入った方は彼らの他の演奏を聴いてみても良いかもしれませんね。
ブーが家に帰る
ところどころブーを象徴するテーマソングが流れますが「ブーが家に帰る」が使われるブーが部屋にたどり着きサリーやマイクとの別れのシーンではピアノでそのテーマを演奏し、感動的なシーンを引き立てます。
非常に美しい楽曲です。ブーのテーマのピアノを担当したのはクラシックピアノの演奏家ラルフ・グリアソン(Ralph Grierson)です。
ラルフ・グリアソンはランディ・ニューマンが音楽を担当した映画『レナードの朝』の楽曲においてもピアノを担当しています。
スコアの演奏にも注目したい映画!
『モンスターズ・インク』の音楽は本編の中では歌が使われませんが、使用されているBGM、スコアにおいては非常に魅力的な楽曲がたくさんあります。
その中には高い演奏力を持った音楽家による表現も聴くことができ、音楽としての魅力も兼ね備えた映画であると感じます。
オープニング曲「モンスターズ・インク」は曲のどアタマから管楽器奏者の息を吸う音が聞こえてきたりもしますので、リアルなサウンドが楽しめますよ!