映画『ピノキオ(Pinocchio)』は1940年に公開されました。
原作もある物語ですが、ディズニー映画で公開された『ピノキオ』は変更された場面が多くなっているそうです。
ピノキオは職人のゼペットが作ったあやつり人形です。子どものいないゼペットはピノキオが自分の子どもになるよう願ったところ、ブルー・フェアリーが現れ願いを叶えてくれます。
ピノキオは学校に通うため、外の世界へも足を踏み入れますがそこには様々な誘惑が待っています。
ジムニー・クリケットや詐欺師の狐J・ワシントン・ファウルフェローなど現代に渡って愛されているキャラクターも登場します。
音楽データ
主な音楽担当
- ネッド・ワシントン(Ned Washington)
- リー・ハーライン(Leigh Harline)
- ポール・J・スミス(Paul J. Smith)
この3人は『白雪姫』の音楽を担当したことでも知られています。
この映画のスコアのほとんどはリー・ハーラインが担当しています。
代表曲
- 星に願いを(When You Wish Upon a Star)
- リトル・ウッドゥン・ヘッド(Little Wooden Head)
- 困ったときには口笛を(Give a little Whistle)
- ハイ・ディドゥル・ディー・ディー(Hi-Diddle-Dee-Dee)
- もう糸はいらない(I’ve Got No Strings)
なんと言ってもこの曲で代表される「星に願いを」はディズニーを象徴する楽曲として今日までも愛されています。
「星に願いを」は当時アカデミー賞で歌曲賞も受賞しました。
ちなみに当時ウォルト・ディズニーはこの曲が気に入らなかったとのこと。
この様に世代を超えて親しまれる曲になったことを信じられないかもしれません。
『ピノキオ』と音楽
『ピノキオ』の楽曲の中で歌があるのは「星に願いを」「困ったときには口笛を」「ハイ・ディドゥル・ディー・ディー」「もう糸はいらない」の4曲です。
そして本作は後半に歌がありません。正直、後半は暗い場面も多く感じます。そのため、あまり歌を使用した楽曲は使われなかったのかもしれません。
リー・ハーラインの実力
クラシック音楽の作曲家として実力を持っていたリー・ハーラインが当時試みたこととして特徴的だったのは、オペラの様に登場人物に旋律を持たせたことです。
オペラなどで試された音楽の作曲手法をアニメーション映画でも再現させたのです。
ジムニー・クリケットの旋律は様々な楽器や表現で奏でられます。
こうした登場人物に旋律を持たせ、劇中で使われていく手法は現代の映画や劇で採用しているシーンを見かけることが多いイメージがあります。
スコアを担当したリー・ハーラインは自身の持つ様々な手法を本作の音楽に溶け込ませ、アニメーション映画の制作貢献したのです。
しかし、リー・ハーラインは『ピノキオ』公開後の1941年にディズニーから離れ、フリーの作曲家として活動しました。ディズニーを離れてからも映画音楽には携わっていた様です。
ディズニーのオープニングとしての「星に願いを」
ディズニーの象徴としても親しまれている「星に願いを」はこの「ピノキオ」から誕生しました。
そしてこの曲はほとんどのディズニー映画で使われることとなります。
みなさんもご存知、本編に入る前のお城とディズニーのロゴが映されるオープニングです。
ここでは「星に願いを」が使用され(全ての映画ではありませんが)、映画のテーマや雰囲気に応じて変化しています。
そんな違いを見つけるのも面白いかもしれませんね。