アニメーション映画『プリンセスと魔法のキス(The Princess and the Frog)』は2009年12月に全米で公開されました。
『プリンセスと魔法のキス』の監督はピクサー映画作品も担当したジョン・ラセターが担当しました。物語の舞台はニューオリンズとなっており、ここが舞台となったのはジョン・ラセターがニューオリンズが好きだったからというのが理由だったそうです。
制作の構想段階で舞台は1920年代のニューオリンズで、ミュージカル映画ということが決定し、音楽はランディ・ニューマン(Randy Newman)が担当することになりました。
ニューオリンズといえばジャズ発祥の地としても知られ、そういった要素を意識した音楽が含まれているように感じます。
音楽データ
主な音楽担当
- ランディ・ニューマン(Randy Newman)
ピクサーアニメーション作品『トイ・ストーリー』シリーズや『バグズ・ライフ(A Bug’s Life)』『モンスターズ・インク(Monsters, Inc.)』なども担当している音楽家です。
『プリンセスと魔法のキス』の舞台はニューオリンズとなっていて、ここはランディ・ニューマンの母親の実家があるので馴染みのある場所でした。
ランディ・ニューマン自身もニューオリンズの音楽に多くの影響を受けているかと思います。
代表楽曲
- 「それがニューオーリンズ (Down in New Orleans)」
- 「夢まであとすこし(Almost There)」
- 「ファシリエの企み(Friends on the Other Side)」
- 「もうすぐ人間だ(When We’re Human)」
- 「連れて行くよ(Gonna Take You There)」
- 「ぼくのエヴァンジェリーン(Ma Belle Evangeline)」
- 「もう一度考えて(Dig a Little Deeper)」
- 「ネヴァー・ニュー・アイ・ニーデッド(Never Knew I Needed)」
ミュージカル作品としてシーンごとに合わせた楽曲が使われました。
1920年代のジャズの演奏スタイルというわけではありませんが、ディキシーランドジャズといった雰囲気を感じる演奏や楽器の存在があります。
それがニューオリンズ
作品のオープニングとエンディングで使用される楽曲です。
オープニングでは登場するキャラクターが歌っているわけではなく、ミュージシャンであるドクター・ジョンが歌っています。
デモ・テープではランディ・ニューマンが歌っていましたが、ピクサー作品との違いを出すためにもニューオリンズのミュージシャンだったドクター・ジョンに歌を担当させることとなりました。
夢まであと少し
ティアナがこつこつ貯金したお金で自分のレストランを持てるようになり、案内されたのはボロい物件でしたが、そこで歌うのがこの曲です。
夢に向かって地道に頑張っていくティアナの考え方や性格も伝わってきます。
もうすぐ人間だ
この映画で登場するキャラクターにワニのルイスがいます。
カエルになったナヴィーンの演奏にひきつけられて、トランペットの演奏とともに登場します。
トランペットを演奏するキャラクターとして強い印象を持っており、作品を盛り上げてくれました。
「もうすぐ人間だ」はディキシーランドジャズのスタイルで演奏される楽曲で、それぞれ人間になったときのことを歌います。
トランペットはニューオリンズ生まれのトランペット奏者、テレンス・ブランチャードです。演奏にも注目したい楽曲ですね。
伝統的な音楽を意識した作品
『プリンセスと魔法のキス』の音楽は舞台がニューオリンズとだけあって、その土地で生まれた文化なども意識している作品です。
ランディ・ニューマンやドクター・ジョンやテレンス・ブランチャードなど舞台に縁のあるミュージシャンを楽曲制作に誘い、より作品の雰囲気が伝わりやすくなっていると感じます。
制作者にあたってスタッフたちは、実際に現地を訪れています。全てが現地の音楽スタイルというわけではありませんが、実際の舞台の雰囲気を感じれるような作品となっていると感じます。