ピクサー初の3D長編作品『トイ・ストーリー(TOY STORY)』は1995年に公開されました。
その後長編作品のシリーズ化と短編作品なども公開され2019年にはシリーズ4作目となる『トイストーリー4』も公開されます。
カーボウイ人形のウッディと宇宙ヒーローのバズやそのおもちゃの仲間たちが暮らす世界を描いた映画です。
映画は「友達」をテーマとしており、代表曲の「君はともだち(You’ve Got a Friend in Me)」もそういったテーマに合った楽曲ですね。
音楽データ
主な音楽担当
- ランディ・ニューマン(Randy Newman)
ランディ・ニューマンはシンガーソングライターとして活動していました。
監督:ジョン・ラセター(John Alan Lasseter)は『トイ・ストーリー』の音楽はミュージカル路線ではないことを決めていました。
ラセター監督はシンガーソングライターを起用しようと考案し、ランディー・ニューマンを指名したことから担当することとなります。
ランディ・ニューマンは『トイ・ストーリー』からその後のピクサー作品やディズニー音楽も担当することとなります。
代表曲
- 「君はともだち(You’ve Got a Friend in Me)」
- 「すべてがストレンジ(Strange Things)」
- 「幻の旅(I will go sailing no more)」
『トイ・ストーリー』の挿入歌は歌を背景として物語のシーンが描かれているのが特徴です。
「君はともだち」はカントリー調の楽曲で作品のテーマともなる「友情」を表現していました。今までのディズニー作品とは違うような、ポップな楽曲が特徴的です。
また、『トイ・ストーリー』の中で使用されている歌は作曲のランディ・ニューマン本人が歌っています。

「君はともだち」
言わずと知れたディズニー・ピクサー映画の代表曲となっています。
カントリーの雰囲気を持つこの楽曲は「友情」を表現していて作品のオープニングとエンディングで使われています。
オープニングではアンディとウッディと遊ぶシーン、エンディングではウッディとバズが仲良くする場面の後に流れる楽曲になっています。
映画の中で別々の場所で使われることにより、同じ楽曲でもそれぞれ異なった意味合いを持っています。
脚本のアンドリュー・スタントン(Andrew Stanton)はこの作品の中でアンディとウッディの絆を早い段階で表現したかったが作品の中で時間を割くことができなかったが「君はともだち」の挿入によって表現することができたと述べているそうです。
すべてがストレンジ
バズがアンディの家にやってきて、アンディがバズに夢中になっていくシーンで使われます。
楽曲はアメリカのポップスといった色が強く、「カーボウイ」の時代から「スペースレンジャー」への時代に移り変わっていくように表現されているように感じます。
幻の旅
バズが自分のことがおもちゃであることに気づき、現実を目の当たりにした際に使われた楽曲です。
楽曲の中でバズのテーマが盛り込まれています。
幻となった理想と現実を受け入れる葛藤が楽曲の中で描かれており、作品の中のシーンと連動した作りになっています。
スコアに表される世界
歌の入った楽曲の他にもシーンに合わせた楽曲が使われていますがこちらも『トイ・ストーリー』の世界を上手く表現できているように感じます。
バズのテーマなどは宇宙のヒーローを表現した壮大なオーケストラで表現されていたり、動きに合わせて音が表現されていたりします。
ディズニー作品でもよく見られる表現ですが、おもちゃの世界の雰囲気を音楽で効果的に表現できていると思います。
『トイ・ストーリー』のスコアは特に楽器のセクションごとの特性を効果的に表現されているように感じます。シリアスな場面ではストリングスの音域を使い分けて表現していたり、弦楽器のピッチカートで場面の雰囲気を使ったりしています。
また、ブラスセクションにおいても壮大な場面を表現する際に使い分けていたり、メリハリが効いた表現が分かりやすく、おもちゃの世界にぴったりなBGMになります。

続編も
『トイ・ストーリー』は1999年に2作目、2010年に3作目、2019年に4作目を公開するなど長きにわたって愛されています。
『トイ・ストーリー4』もランディ・ニューマンが音楽を担当することになっています。
作品ごとに舞台が変わっていき、それに合わせて音楽も表現されていますので、4作目もどの様な音楽で表現されるか楽しみですね。