ピクサーを代表する3Dアニメーション作品『トイ・ストーリー(TOY STORY)』の続編である『トイ・ストーリー2(TOY STORY 2)』は1999年11月24日にアメリカで公開され、日本では2000年3月11日に公開されました。
ディズニー作品の当時の慣習として、続編のタイトルはOVAとして作られており、『トイ・ストーリー』もその予定でした。しかし、ピクサーは映画作品としての制作を希望したことから、質の高い映画作品として制作されました。
1作目でも登場したウッディやバズなどのキャラクターが引き続き登場したほか、カウガールのジェシーや馬のブルズアイなど今作で登場します。
音楽を担当したのは今回もランディ・ニューマン(Randy Newman)です。
前作の設定を引き継いだ世界を表現するためには担当する音楽家も引き続き制作に参加するというこは自然な流れだったのでしょう。
それでは『トイ・ストーリー2』の音楽についてまとめます。
Contents
音楽データ
主な音楽担当
- ランディ・ニューマン(Randy Newman)
ランディ・ニューマンはシンガーソングライターとして活動していた音楽家です。
前作に引き続き監督もジョン・ラセター(John Alan Lasseter)が担当し、今回も『トイ・ストーリー』の世界を見事に表現したランディ・ニューマンを起用ました。
代表曲
- 「ホエン・シー・ラヴド・ミー(When She Loved Me)」
- 「ウッディのラウンドアップ(Woody’s Roundup)」
- 「君はともだち(You’ve Got a Friend in Me)」
今作品においてもミュージカル作品ではないので、歌のある楽曲は多くありません。
新しい歌として使われた「ホエン・シー・ラヴド・ミー」はジェシーの過去に焦点を当てたシーンに使用された楽曲となっておりますが、作品観ている人々に強い共感を持たせ非常に美しいシーンと曲であると感じます。
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ウッディのラウンドアップ
この作品で重要なテーマの1つはアンディが持つウッディが実はコレクターの中では非常にレアなアイテムであるということです。
「ウッディのラウンドアップ」はウッディがおもちゃとして人気だった当時にテレビ放送されていた人形劇のテーマソングとして使われています。
ウッディはテーマソングがあるほど人気であったことを象徴させたこの楽曲はウッディというカウボーイのおもちゃ世界観に合わせた楽曲となっています。
映画のエンドソングとしても使われており、歌ったのはライダーズ・イン・ザ・スカイ(Riders in the Sky)です。カントリー、ウエスタン風の楽曲でブルーグラスの編成で演奏されています。
ホエン・シー・ラヴド・ミー
物語が進むなかで、ジェシーには持ち主がいたことを知ることになります。
ウッディと同じく持ち主:エミリーに大切にされていましたが、エミリーが大人になると見捨てられてしまうといった回想シーンで使用されます。
ジェシーの過去から子どもはいずれ大人になり、おもちゃは見捨てられてしまうということを表現します。ウッディはアンデイのところへ戻らず博物館へ行くという選択肢も存在することに気づくことになります。
この楽曲は多くの人に共感と感動を与えたバラードとなっており非常に人気のある楽曲であると感じます。
ジョン・ラセターもジェシーがウッディに、アンディもエミリーと同じように大人になることを訴えるシーンについて考えていました。このシーンは物語の中でも非常に重要なシーンであることを想定していたのです。
そこでジョン・ラセターはこのシーンに歌を挿入する考えが浮かんだときランディ・ニューマンに構想を伝えるとすばらしい歌を書いてくれたと語っています。
歌を担当したのはカナダのシンガーソングライター:サラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)です。
君はともだち
1作目でも使用されたこの楽曲はエンディングに使用され、歌はペンギンの人形ウィージー役のロバート・グーレ(Robert Goulet)が担当します。
個性のある歌で表現しハッピーエンドを盛り上げてくれました。
また、サウンドトラックCDにサックスヴァージョンも収録されています。
演奏しているのはトム・スコット(Tom Scott)で、『モンスターズ・インク』でもサックスを担当した楽曲があります。
スコアもよりシンフォニックな音楽に!
映画のBGMも非常に美しいオーケストラなどで表現されています。前作よりもグレードアップしたスコアとなっており、おもちゃの世界をより感じとれるように感じます。
オープニングでは今回バズが主役のゲームをプレイしていますが、音楽もゲームの世界である壮大な宇宙を表現しています。『スターウォーズ』のようなSF映画を意識していることも伝わってきます。
また、ウッディが飛行機からジェシーを助けに行ったクライマックスのシーンの音楽では西部劇を意識していたそうです。