2019年3月29日実写映画『ダンボ(Dumbo)』が公開されました。
「ダンボ」は1941年にアニメーション版が公開されています。
アニメーション版の公開から70年近く経ち、どのような進化を遂げ、どの様な要素が当時から引き継がれたのでしょうか。
そして今回監督を担当したのはティム・バートン(Tim Burton)です。
ディズニー映画では『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や実写映画『アリス・イン・ワンダーランド』を担当しました。
ティム・バートンが監督を務めるほとんどの作品の音楽を担当しているのがダニー・エルフマン(Danny Elfman)です。
上記の作品もダニー・エルフマンが担当し、もちろん今回の実写映画版『ダンボ』も彼が担当します。
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音楽データ
音楽担当
- ダニー・エルフマン(Danny Elfman)
代表作は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』実写映画版『アリス・イン・ワンダーランド』『オズ はじまりの戦い』などです。
ディズニー映画以外にも『スパイダーマン』『チャーリーとチョコレート工場』などなど数多くの映画音楽を手がけます。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』では音楽および主人公ジャック・スケリントンの歌を担当しています。
また、彼はロックバンド「オインゴ・ボインゴ」でバンド活動も行なっていました。
実写映画版『ダンボ』でも他の映画で見られる個性的で愉快な音楽でもそこに潜むダークな印象も表現されていていました。
代表曲
- ベイビー・マイン(Baby Mine)
実写映画版『ダンボ』は歌が入っている楽曲は「ベイビー・マイン」のみです。
アニメ版ももともとミュージカル映画ではないので歌が入っている楽曲は短いシーンに入っている程度であまり多くありませんでした。
「ダンボ」の音楽の中でも特に有名だった「ベイビー・マイン」は実写版でもアレンジされ、現代になっても親子の感動的なシーンをより引き立ててくれます。
アニメ版公開当時もこの楽曲はアカデミー賞にもノミネートされ多くの人々に愛されてきました。
日本版の担当
日本版エンドソングの「ベイビー・マイン」を担当するのは竹内まりやです。
楽曲に参加したミュージシャンに山下達郎(コーラス)、佐橋佳幸(ギター)がいます。
ディズニーの名曲が豪華なメンバーで再現されています。
またミス・アトランティス の日本語声優を担当する大塚千弘による「ベイビー・マイン」や海外版エンドソングを担当するアーケイド・ファイアの「ベイビー・マイン」もそれぞれアレンジが異なっていますので、聴き比べて見ても良いかもしれませんね。
実写映画版『ダンボ』の音楽
今作品はティム・バートンが監督を務めました。ティム・バートンの映画といえば私は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『アリス・イン・ワンダーランド』『チャーリーとチョコレート工場』を思い浮かべます。
印象としては表面は愉快で楽しい世界を繕うようなキャラクターや演出があり、そこからダークな雰囲気を醸し出している様に感じています。
そんな世界を音楽でそれまた的確に表現しているのがダニー・エルフマンなのではないかと思います。
ダニー・エルフマンによる『ダンボ』
もともとディズニーのクラシック作品であった『ダンボ』をティム・バートンを監督に迎え実写化となるとやはりダークな印象を感じます。
実際にダニー・エルフマンはティム・バートンにダンボが空を飛ぶシーンについて、「コンプレックスを持つ”大きな耳”」がキーとなるシーンであるため、作品中にも描かれる悲しみや嘆きも伴う必要があると指摘されたそうです。
その結果ダンボが空飛ぶシーンでも悲しみを背負う「ダンボのテーマ」のアレンジをダンボが空飛ぶシーンで使われました。
そのアレンジについてはダンボ オリジナル・サウンドトラック以下の2曲で確認できます。
- 「ダンボのテーマ (Dumbo’s Theme)」
- 「空飛ぶゾウ (Dumbo Soars)」
この様にダニー・エルフマンは明るい楽曲の中に暗い印象を上手く潜ませ、表現することもできます。
ティム・バートンと長年映画の作品で仕事を進めて来たのはこの様なダニー・エルフマンの表現力との相性も合ったのではないかと思います。
アニメ版のアレンジ
アニメ版からはタイトルとは異なっていますが機関車のテーマである「ケイシー・ジュニア(Casey Junior)」やダンボが酔っ払ったときん夢に出て来たピンクの象のテーマ「ピンク・エレファンツ・オン・パレード(Pink Elephants on Parade)」もアレンジされています。
ダニー・エルフマンによるアレンジは実写版のリアルさと彼の持つ個性が表現されています。
よりリアルになった『ダンボ』の世界へ
実写版の「ダンボ」は音楽による感情表現もより現実的な感情に近づき、観ている人を映画の世界に引き込んでくれることでしょう。
長い時を経て実写化された『ダンボ』は監督 ティム・バートンと音楽家 ダニー・エルフマンらによってより共感の得られる作品となっていると思います。