ディズニーの音楽をジャズアレンジで披露する音楽家は現在に至るまで多く存在していると思います。
その中でも元祖といえる音楽家としてジャズピアニスト:デイヴ・ヴルーベック(Dave Brubeck)が当てはまるのではないかと考えます。
彼の代表アルバムには最も有名とも言えるジャズスタンダードナンバー「テイク・ファイブ(Take Five)」を含むアルバム『タイム・アウト(Time Out)』などが挙げられます。
世界を代表するジャズピアニストであるデイヴ・ブルーベックはディズニー音楽をJAZZで表現した楽曲だけを収録したアルバムも出しています。
デイヴ・ブルーベックの音楽性がどのようにディズニー音楽へと反映されているか、おすすめ楽曲とともに紹介していきます!
Contents
主なディズニー音楽
- 「不思議の国のアリス(Alice in Wonderland)」-『ふしぎの国のアリス(Alice in Wonderland)』より-
- 「大変良い忠告(Very Good Advice)」-『ふしぎの国のアリス』より-
- 「口笛を吹いて働こう(Give a Little Whistle)」-『白雪姫(Snow White and the Seven Dwarfs)』より-
- 「ハイ・ホー(Heigh-Ho)」 -『白雪姫』より-
- 「ワン・ソング(One Song)」-『白雪姫』より-
- 「いつか王子様が(Some Day My Prince Will Come)」-『白雪姫』より-
- 「星に願いを(When You Wish Upon a Star)」-『ピノキオ(Pinocchio)』より-
- 「これが恋かしら(So This is Love)」-『シンデレラ(Cinderella)』より-
世界的なジャズピアニスト デイヴ・ブルーベックは以上のようにたくさんのディズニーをジャズで演奏していました。
楽曲についていくつか抜粋して記述します。
「不思議の国のアリス」-『ふしぎの国のアリス』より-
ジャズスタンダードとして多くのミュージシャンに愛されている「ふしぎの国のアリス」。
デイヴ・ブルーベックの演奏する「ふしぎの国のアリス」は冒頭からピアノソロで演奏し、3拍子のテーマを心地よい緩急を効かせたテンポで聞かせてくれます。テーマの最後でキメが入り、リズムセクションが加わりよりメリハリが効いています。
テーマが終わりポール・デスモンド(Paul Desmond)のサックスでアドリブソロが始まります。サックス奏者のポール・デスモンドはデイヴ・ブルーベックの長年のパートナーとしてこの他にもデイヴ・ブルーベックのたくさんの音源に参加しています。
透明感あふれるサックスソロは必聴です。
「いつか王子様が(Some Day My Prince Will Come)」-『白雪姫』より-
この曲もジャズスタンダードとして多くのミュージシャンに愛されているディズニー音楽と言えるでしょう。
「いつか王子様が」については上述した「ふしぎの国のアリス」と似たアレンジが施されているように感じます。
イントロがデイヴ・ブルーベックによるソロでテーマを演奏します。美しいルバートをかけた3拍子はこの楽曲を引き立たせます。
デイヴ・ブルーベックを代表する楽曲に「テイク・ファイブ」がありますが、その楽曲は4分の5拍子です。変則的な拍子を美しく表現するのが彼の特徴の一つと考えられます。
これら3拍子の楽曲もデイヴ・ブルーベックによる個性が美しく表現されていると感じます。
「星に願いを(When You Wish Upon a Star)」-『ピノキオ(Pinocchio)』より-
同じくまたジャズのど定番からです…笑
「星に願いを」は冒頭からゆったりとしたテンポでテーマを演奏します。
この曲はアドリブが終わった後の最後のテーマがお気に入りです。
最後はデイヴ・ブルーベックのソロとなるのですが、ハーモナイズやテンポなど大変美しく演奏しています。途中3拍子になったりと緩急をつけるのが本当に綺麗だと感じます。
「ハイ・ホー(Heigh-Ho)」 -『白雪姫』より-
「白雪姫」より「ハイ・ホー」ではアップテンポで演奏されています。
小人たちが「口笛を元気に吹き鳴らし〜」という歌詞を軽快に歌うようにこのアレンジも明るく演奏されています。
後半にドラムソロもあり、原曲の雰囲気も持ち合わせた気分が高まる演奏であると感じました。
メロディからも「ハイ・ホー ハイ・ホー」と聞こえてきそうです。
デイヴ・ブルーベック
ここで少し、ディズニー音楽をジャズで演奏したデイヴ・ブルーベックについて触れていきたいと思います。
人物
デイヴ・ブルーベックは、1920年12月6日カリフォルニア州 コンコードで生まれます。
母親が音楽好きであったことから、幼い頃からピアノを習います。
幼い頃はジャズの他にもクラシックやカントリーを聴いていたそうです。
大学ではクラシックを学んでいました。
クラシックは現代音楽の先駆者とも言われているシェーンベルクからも学んでいたそうです。
音楽性
デイヴ・ブルーベックは1950年代からのウエスト・コーストジャズといわれる時代を代表するジャズピアニストです。
上述している通り彼の作曲した「テイク・ファイブ」が有名ですね。
デイヴ・ブルーベックの演奏にはわかり易さが人気の秘密といえるかもしれません。
重量感があるピアノコードを鳴らす演奏は多くの人に聴き易く心地良いものであると感じます。
さらにデイヴ・ブルーベックと長年共にしたサックス奏者ポール・デスモンドの演奏との相性は抜群であったことも多くの人々に愛される音楽となったのではないでしょうか。
代表アルバム
- 『タイム・アウト(Time Out)』
- 『デイヴ・ディグス・ディズニー(The Dave Brubeck Quartet/Dave Digs Disney)』
『デイヴ・ディグス・ディズニー』がここで紹介した楽曲を含む全ての楽曲がディズニーの音楽となっています。
ディズニーが好きな方もジャズが好きな方にもおすすめの一枚です!
『デイヴ・ディグス・ディズニー』はピアノ:デイヴ・ブルーベック、サックス:ポール・デスモンドに加え、ベースにノーマン・ベイツ(Norman Bates)、ドラムがジョー・モレロ(Joe Morello)によるデイヴ・ブルーベック・カルテット(The Dave Brubeck Quartet)で演奏されました。
その他のおすすめ!
最後にディズニーのJAZZコンピレーションアルバム『Everybody Wants to Be a Cat』に収録されている「ふしぎの国のアリス」も私はおすすめします!
この楽曲はデイヴ・ブルーベックトリオにボーカルとしてロバータ・ガンバリーニ(Roberta Gambarini)加わったものです。
デイヴ・ブルーベックのピアノをバックに歌がついた美しいバラードとなっています。
冒頭の哀愁が漂う雰囲気から、2コーラス目の途中からノリの良いテンポに切り替わり、スキャットやピアノソロもまた美しいです。
ジャズを代表する名手が奏でるディズニー音楽をぜひ聴いてみてください。