実写版「美女と野獣(Beauty and the Beast)」は2017年3月に公開されました。
1991年に公開されたアニメーション映画版の「美女と野獣」のリメイク作品となっており、音楽も当時の楽曲のアレンジ版と新たに書き下ろした楽曲が使用されいます。
アニメ映画版『美女と野獣』は、アニメーション史上で初のアカデミー作品賞にノミネートされ、アカデミー歌曲賞においては3曲も「美女と野獣」からノミネートされるといったことは前代未聞の出来事でした。
そんな音楽も大人気だったアニメ版『美女と野獣』をリメイクした実写版の音楽について紹介します。
音楽の担当はディズニー音楽のレジェンド:アランメンケンです。
Contents
音楽データ
主な音楽担当
- 作曲:アラン・メンケン(Alan Menken)
- 作詞:ティム・ライス(Tim Rice)
- 作詞:ハワード・アッシュマン(Howard Ashman)
作曲はアラン・メンケンで作詞はアニメ版の楽曲はハワード・アッシュマン、新たに書き下ろされた楽曲はティム・ライスが担当しています。
『リトル・マーメイド』『美女と野獣』を担当したアラン・メンケンとハワード・アッシュマンの伝説のコンビと『アラジン』や『ライオンキング』でも知られるティム・ライスも制作に参加しました。
このクレジットはアニメ版、実写映画版の『アラジン(Aladdin)』とも同じですね。
彼らが参加する作品や音楽から世界中の多くの人々を魅了する力を感じます。
代表曲
【新たに書き下ろされた楽曲】
- 「アリア(Aria)」
- 「時は永遠に(How Does a Moment Last Forever)」
- 「デイズ・イン・ザ・サン〜日差しをあびて〜(Days in the Sun)」
- 「ひそかな夢(Evermore)」
【アニメ版のアレンジ】
- 「朝の風景(Belle)」
- 「強いぞ、ガストン(Gaston)」
- 「ひとりぼっちの晩餐会(Be Our Guest)」
- 「愛の芽生え(Something There)」
- 「美女と野獣(Beauty and the Beast)」
- 「夜襲の歌(The Mob Song)」
実写版映画『美女と野獣』と音楽
アリア
プロローグの途中で魔法にかけられる前の城の様子を描いたシーンが追加され、このシーンでは「アリア(Aria)」が使われました。城にいる人たちが華やかにダンスを踊るシーンとなっています。
このシーンで注目したいのがハープシコードを奏でるキャラクター:カデンツァです。
この楽曲においてはイントロからハープシコードで演奏され音楽を先導しています。
カデンツァは魔法にかけられた後、ハープシコードに変えられます。
「ひとりぼっちの晩餐会」などアニメ版で使用された楽曲のアレンジでハープシコードが音色として追加されており、キャラクターとしての存在感が音楽に現れています。
時は永遠に
エンドソングとしても使われたこの楽曲は実写版における主題歌ともいえる楽曲とも考えられます。エンドソングはアニメ映画版で主題歌を歌ったセリーヌ・ディオンが担当しました。
作品の中では最初にオルゴールに合わせベルの父親:モーリスが歌うシーン、そして過去に遡るシーンでベルが歌います。
実写版で書き下ろされた楽曲であることから、アニメ版ではなかったシーンで使われています。
ベルと父、母の関係が今作品で新たな音楽とともに描かれていました。
デイズ・イン・ザ・サン〜日差しをあびて〜
ベルと呪いをかけられた城の住人たちが過去の幸せな日々について歌う楽曲です。
今は呪いをかけられて嘆いている気持ちと、また幸せな日々を求めた希望を感じる楽曲となっています。
ひそかな夢
アニメ映画版になかったシーンであり、とても重要な要素を担うこの楽曲「ひそかな夢」。
これは野獣の心情を表現した楽曲となっており、野獣が愛したベルを城から解放し、父親のもとへ向かわせたあとに歌います。
愛していたベルを離れてしまったこと、呪いが解けなくなってしまったときの感情が表現されています。
アニメ版の楽曲のアレンジ
アニメで使われた歌は全て実写版でもアレンジされて使用されています。
それもアニメーションで表現できていた部分もしっかり、実写版でもグレードアップして再現されています。
「ひとりぼっちの晩餐会」などは食器たちも含め見事に再現しています。
そして「強いぞ、ガストン」では作詞:ハワード・アシュマンが作ったもののアニメ版でカットされた部分が一部よみがえったそうです。また、酒場のダンスのシーンも追加されており、より華やかなシーンになっています。
「美女と野獣」はアニメ版と同じくポット夫人が歌うシーンとなっています。
アニメ版と比較すると楽曲の構成も追加されており、楽曲自体の長さもアニメ版より長くなっています。
アニメ版でも名シーンとなっただけあってこの実写版でも美しい演出が施されています。
実写版により明かされたキャラクターたちの過去
アニメ版との違いで見応えのある要素といえばキャラクターたちの過去のシーンであると感じます。
ベルと父親、母親との過去では、アニメ版で登場しなかった母親が登場します。
また、野獣が少年だった頃のシーンも描かれ、同じく母親、父親が登場します。
ベルと野獣の過去が明かされ、よりキャラクターに感情移入しやすくなったと感じます。
お城の住人たちの過去の生活や野獣(アダム王子)に対する想いなども表現されていたり、登場人物をより知ることができるので実写版を観てからアニメ版を観てみるのも面白いかもしれませんね。